6月16日(土)~17日(日)の2日間にわたり、オディシャ州ブバネシュワルにて、インドとスリランカに派遣中のJICA青年海外協力隊ラグビー隊員3名が指導するチーム間の国際親善試合を開催しました。
インドラグビーフットボール協会が主催し開催されたこのイベントでは、日本から参加したラグビー元日本代表向山昌利氏によるラグビークリニックや青年海外協力隊員による活動報告、各指導チームの選手代表によるプレゼンテーションも行われ、フレンドシップマッチではこの日のために練習してきた成果を発揮し交流しました。
■青年海外協力隊員のコメント
【インド】
・徳武寛貴隊員
僕が指導している子どもたちはホストとして緊張と期待とともに、本当に選手がやって来るのか心配しながらスリランカチームを待っていました。そして、スリランカの子どもを待つのと同じく、僕と同じJICA青年海外協力隊員の2人に会えることも楽しみにしていました。
スリランカチームが到着すると、初めは緊張して会話もできずにいましたが、段々と溶け込み、ラグビーをしたい!という気持ちを強く感じられるようになりました。また、JICA青年海外協力隊員のプレゼンテーションやイベント全体を通じて、コーチである僕ら隊員や選手自身がこの2年間取り組んできたことを再確認できたことが嬉しかったようです。
ラグビー隊員の教え子(選手)同士が対戦することは夢にも思っていなかったので、今回の企画はまさにドリームマッチであり、勝ち負けに関係なく感動した時間でした。ラグビー隊員として2年間やってきてよかったと改めて感じ、子どもたちへの愛情がより大きくなりました。
ラグビーに限らず、この感動があるからスポーツって素晴らしいなと思い、次はこの生徒たちの誰かがこの経験を生かして次の世代に受け継いでほしいと思います。
【スリランカ】
・伊藤悠理隊員
準備期間が短く練習回数も限られていたため、コミュニケーションに重点を置いて練習に取り組みました。最も苦労したのは選手のパスポートとビザの取得です。必要な書類が集まらなかったり不備があったり、思うように手続きが進まず冷や冷やしました。
選手たちはKIITに到着してすぐは言葉の壁に戸惑っていましたが、練習を通じてインドの選手とも打ち解けていきました。スリランカではスクラムを専門的に学ぶ機会が少ないので、日本のコーチの熱心なスクラム指導にフォワードの選手は刺激を受けていました。初めての海外でプロコーチから指導を受けることができ、選手にとってすべてがいい経験となりました。フレンドシップマッチでは難しい試合も最後まで諦めることなくプレーし、勝利することができました。これも貴重な経験になったと思います。
全勝で終えられただけでなく、選手たちはグラウンドマナーなど、プレー以外でも多くのことを学びました。私自身も、言葉や文化が違ってもラグビーが好きなもの同士ならすぐに仲良くなれることを感じ、スリランカでの残りの任期もより良いものにしていきたいと改めて感じました。
・森心隊員
フレンドシップマッチに向けて、子どもたちはより一層練習に集中するようになり、練習頻度もそれまで3回だったものが5回になりました。参加する子どもも増え、自分に足らないスキルを磨くため個人練習を行い、全体の練習の質も上がりました。チームが一丸となることができました。
スリランカに比べてインドはとても暑かったですが、子どもたちは積極的に取り組み、試合では自分たちよりもスキルの高いインドの選手に対して諦めずに最後まで戦いました。インドの選手のスピードやスキルの高さは良い刺激となりました。スリランカの女子チームは国内での試合機会も少ないので、とてもよい経験になりましたし、インドチームのスキルの高さを肌で感じ、もっと練習を頑張りたいと話していました。
両国の子どもが協力して行ったリレーやゲームではインドの子どもたちとのコミュニケーションも取れるようになり、子どもたちは本当に楽しかったと話しています。またどこかで会いたいと言っています。また、参加したコーチは両国の生活環境や練習の違いを感じ、環境の整っていないスリランカ女子チームが今後レベルアップしていくためにどのように工夫してくべきなのか考えなければならないと話しています。
言葉も文化も違う両国の子どもたちがラグビーを通じて交流し、協力する姿や、両国のチームがお互いの力を出し切り必死に戦う姿は本当に素晴らしいものでした。フレンドシップマッチ開催にご支援、ご尽力くださった皆さまに本当に感謝しています。ありがとうございました。
【概要】
1.プログラム 6月16日(土)
09:30 ラグビークリニック
14:00 青年海外協力隊員、選手のプレゼンテーション
15:30 ラグビー強化と国際協力に関するワークショップ
6月17日(日)
09:30 合同練習
15:00 開会式 フレンドシップマッチ
19:30 アフターマッチファンクション(懇親会)
2.会場
Kalinga Institute of Industrial Technology (KIIT)